牛抱せん夏著『千葉怪談』などを読了

2024年4月1日から9日までの期間に次の本を読み終えた。1,4,5,7はkindle版をAndroidのTalkBack機能で聴く。

1.玄侑宗久著/中陰の花(文藝春秋、2012年)

2.佐々木裕一著/浪人若さま新見左近 6 恨みの剣(双葉社、2020年)

3.鳥羽亮著/骨喰み 天保剣鬼伝(幻冬舎、2000年)

4.石井紘基著/日本が自滅する日 「官制経済体制」が国民のお金を食い尽くす!(PHP研究所、2002年)

5.西村京太郎著/長野電鉄殺人事件(徳間書店、2023年)

6.篠綾子著/くさまくら 万葉集歌解き譚(小学館、2021年)

7.牛抱せん夏著/千葉怪談(竹書房、2021年)

〈感想、メモ〉

1.玄侑宗久著/中陰の花(文藝春秋、2012年)

表題作「中陰の花」と「朝顔の音」の二作品が収録される。

以下、「文庫版のためのあとがき」から一部引用。「(以下引用)成仏までの「中有」とか「中陰」とは、いわば「有」と「無」の中間在り方、「陰」と「陽」のどちらでもあるような在り方、というわけだが、これをいったいどう説くのか。それは現場の僧侶たちの日常的な課題でもあった。(引用終わり)」

「中陰の花」の主人公は臨済宗の僧侶であり、彼が子供の時から知っているウメさんという人物についての記憶をたどる場面から物語が始まる。。

ウメさんは自らの死の日を予告している。ウメさんは「おがみ屋」と呼ばれるような人であったらしい。

数年前に玄侑宗久のやはり死をメインテーマとした小説の『アミターバ』を読み、非常に印象的だったが、この「中陰の花」も強い印象を残す作品だった。ウメさんの死が中心的な出来事として語られ、その周囲の登場人物たちの人生が静かなトーンで描かれている。

「文庫版のためのあとがき」によると、「中陰の花」は、1999年に書かれたものであるとのこと。

「朝顔の音」は犯罪被害者を主人公とする小説であり、非常に残酷なストーリーである。

〈関連記事 玄侑宗久の著作を読んだ記録を含む記事〉

小説『アブラクサスの祭』(新潮社)を読んだ記録を含む記事

『アブラクサスの祭』などを読了

養老孟司との対談本『脳と魂』(筑摩書房)を読んだ記録を含む記事

曽野綾子著『自分の始末』などを読了

玄侑宗久、和合亮一、赤坂憲雄による『被災地から問うこの国のかたち』(イースト・プレス)を読んだ記録を含む記事

原田伊織著『明治維新という過ち』などを読了

『流れにまかせて生きる』(PHPエディターズ・グループ)を読んだ記録を含む記事

玄侑宗久の『流れにまかせて生きる』を読了

『龍の住む家』(文藝春秋)を読んだ記録を含む記事

玄侑宗久著『龍の棲む家』などを読了

2.佐々木裕一著/浪人若さま新見左近 6 恨みの剣(双葉社、2020年)

時代小説。新見左近(徳川綱豊(のちの家宣))、徳川綱吉、新井白石、柳沢保明(のちの吉保)といった人々が登場する。

〈関連記事 綱豊の登場場面のある『失脚 3』(笹沢左保著、祥伝社)を読んだ記録を含む記事〉

J.K.ローリング著『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』などを読了

3.鳥羽亮著/骨喰み 天保剣鬼伝(幻冬舎、2000年)

真抜流の使い手である宗五郎が主人公である時代小説。天保13年の西両国から物語が始まる。

4.石井紘基著/日本が自滅する日 「官制経済体制」が国民のお金を食い尽くす!(PHP研究所、2002年)

当時の首相である小泉純一郎の言う構造改革の内容の乏しさを指摘し、また、特別会計の存在について解説する。

特別会計について解説された部分、道路公団に関する部分などが印象に残る。

〈関連記事 石井紘基の仕事(特別会計の調査)について触れられる『日本の真相! 3』(船瀬俊介著、成甲書房)を読んだ記録を含む記事〉

清岡卓行著『アカシヤの大連』などを読了

5.西村京太郎著/長野電鉄殺人事件(徳間書店、2023年)

十津川警部のシリーズ。コロナを理由とした移動制限に不自由を感じていた70歳の歴史家の木本の登場から物語が始まる。

6.篠綾子著/くさまくら 万葉集歌解き譚(小学館、2021年)

万葉集の歌が登場する時代小説。主な登場人物は日本橋の油問屋・薬種問屋である伊勢屋の娘・しづ子、伊勢屋の小僧・助松、八丁堀に住む侍・加藤千景、占い師の葛木多陽人、ほか。

7.牛抱せん夏著/千葉怪談(竹書房、2021年)

大房岬、金山ダム、総武線、九十九里、館山市といった場所に伝わる怪談が紹介される。

(以上、敬称略)

(2,3,6はサピエ図書館の点字データを使用しました。点訳ボランティアの皆様と関係者の方々に感謝申し上げます。)

コメント

タイトルとURLをコピーしました