令和5年6月10日から14日までの期間に次の本を読み終えた。
1.柿沼忍昭著/人生に決まりごとなんてない(三笠書房、2015年)
2.城山三郎著/打たれ強く生きる(新潮社、1989年)
3.関口甫四郎著/北陸翡翠峡殺人事件()青樹社、1989年
4.スティーブン・キング著、永井淳訳/クージョ(新潮社、1995年)
5.ゾラほか著/百年文庫 63(ポプラ社、2011年)
6.大城太著/失敗のしようがない華僑の起業ノート(日本実業出版社、2015年)
〈感想、メモ〉
1.柿沼忍昭著/人生に決まりごとなんてない(三笠書房、2015年)
禅の教えである「大道無門」を引いて人生をどう考えるかが述べられる「「大道無門」という禅の教え」(1章の二つ目の節)が記憶に残った。
著者紹介によると、著者柿沼忍昭は1956年神奈川県生まれ。長光寺住職(刊行当時)。
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2.城山三郎著/打たれ強く生きる(新潮社、1989年)
エッセイ集。山崎種二、毛利元就、桂枝雀、渡辺淳一、中山素平、山中鹿之助、山下俊彦、レオナルド熊、鈴木健二といった人たちのエピソードを読むことができる。
中でも、アナウンサーであり著作かでもある鈴木健二のエピソードが面白かった。彼の優れた記憶力についての話と、大病をした時の話。記憶力に関しては仕事に直結しているという認識を著者に話したという。確かに、そういった意識の影響は大きいかもしれないと思った。
3.関口甫四郎著/北陸翡翠峡殺人事件()青樹社、1989年
推理小説。物語の本編は浅草における宝石商の新作発表のパーティー場面から始まる。パーティーには宝石の業界に属する人々が集まっていた。そのパーティーに出席していた翡翠のコレクターとしても知られる女性のゆくえが不明となる。その後、さらなる失踪事件が発生する。以上、あらすじ。
4.スティーブン・キング著、永井淳訳/クージョ(新潮社、1995年)
巨大なセント・バーナード犬の登場する長編小説。訳者永井淳の解説によると、本作『クージョ』は1981年発表の7作目の長編であるとのこと。
非常に面白かった。陰惨な事件が描かれる小説で、超常現象について描かれる場面もあるのだが、リアリティー、迫力があり、引き込まれる。ブログ執筆者にとってのキング作品の魅力は、登場人物たちの思考とライフスタイルの描写である。
5.ゾラほか著/百年文庫 63(ポプラ社、2011年)
ゾラの「引き立て役」(宮下史朗訳)、深尾須磨子の「さぼてんの花」、ミュッセの「ミミ・パンソン」(佐藤実枝)が収録される。
ミュッセの「ミミ・パンソン」が面白かった。お針子のパンソン、学生のウジェーヌ、マルセルといった若者たちが登場する小説。人間関係や金銭に関する彼らの考えや行動が興味深く思われた。
6.大城太著/失敗のしようがない華僑の起業ノート(日本実業出版社、2015年)
華僑に弟子入りした経験を持つ著者による著作。仕事の手法といったことも語られるが、その根底にある考え方や文化といったものも読むことができ、面白かった。
(敬称略)
(上の1から5の5冊はサピエ図書館の点字データで読みました。点訳ボランティアの皆様と関係者の方々に感謝申し上げます。)
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