下定雅弘著『白楽天』などを読了

令和5年3月12日(日)、次の二冊を読み終えた。

1.下定雅弘著/白楽天(KADOKAWA、2010年)

2.パトリック・モディアノ著/1941年、パリの尋ね人(作品社、1998年)

〈感想、メモ〉

1.下定雅弘著/白楽天(KADOKAWA、2010年)

kindle版をiPhoneのVoiceOverで聴く。令和5年3月時点でkindle unlimitedで利用可能。

唐の詩人、政治家である白楽天(白居易)の人生と作品についての本。

第一部では「3 みんなに暖かい服を」に紹介される詩「新製布裘」が印象的だった。自分の綿入れに満足している様子がうたわれた後で、世の中も同様に温まってほしいという若く正義感のある官僚の心情が綴られる。

第一部ではそのほか、「12 杭州とお別れ」に語られる白楽天による治水事業の話が興味深い。

第二部では、「5 池に立つ二羽の鶴」で語られる白楽天が鶴を飼っていたというエピソード、「9 火鉢と別れるのが悲しい」で気に入りの火鉢に対する愛着が大きすぎてずっと寒ければよいのにと歌う詩などが面白かった。

また、第二部の「20 筍が旨い!」での食事に関する詩、同じく第二部、「我ながら見事な音色」で語られる音楽に関するエピソードや詩なども興味深い。白楽天は日ごろから「秋思」という曲を弾いていたとのことである。

2.パトリック・モディアノ著/1941年、パリの尋ね人(作品社、1998年)

ノンフィクションのモディアノ作品。あるユダヤ人少女のたどった道をモディアノが分権によって、また、自ら歩くことで追っていく。第二次大戦時のフランスでのユダヤ人の状況が記される。

ユダヤ人の少女ドラ・フリュデールの足跡をたどりながら、著者であるモディアノの人生についても語られることになる。

(敬称略)

(『1941年、パリの尋ね人』はサピエ図書館所蔵の朗読図書で読みました。音訳ボランティアの方、関係者の方々に感謝申し上げます。)

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