パウロの旅路をたどる紀行文、森本哲郎著『神の旅人』などを読了

令和5年4月3日(月)、次の二冊を読み終えた。kindle版をiPhoneのVoiceOverで聴く。

1.森本哲郎著/神の旅人 聖パウロの道を行く(PHP研究所、2005年電子版発行)

2.不可能を可能にする 大谷翔平120の思考(ぴあ、2017年電子版発行)

〈感想、メモ〉

1.森本哲郎著/神の旅人 聖パウロの道を行く(PHP研究所、2005年電子版発行)

令和5年4月4日時点でkindle unlimitedで利用可能。

この本は1988年に新潮社から刊行されたものであるとのこと。

ユダヤ教の熱心な信者であったパウロは回心し、キリスト教を広める旅に出る。その距離は2万キロにも及ぶという。著者がパウロの旅路をたどる。

〈参考ページ 「回心」について〉

ウィキペディア 回心

昨年、樋口信平の著作、『道・真理・命』を読んだ。その最初の四つの文章は「コリント人への手紙」を中心に語られるものであった。それで、パウロについて書かれた本を読もうと考えていた。

〈『道・真理・命』を読んだ記録を含む記事〉

ロジャー・パルバースの著作『新バイブル・ストーリーズ』などを読了

この本を読んで、パウロその人の人物像と彼の宣教の旅のイメージがより明瞭になった。アテネにおいて市民たちから冷笑されたパウロが次に向かったのがコリントなのであった。知性による宣教を試みたパウロはアテネで失敗し、自信を喪失した。それゆえに、その後彼は知性によるのではなく、「霊と力」(本文中の表現)によって伝道を続ける。

以下、この本の印象的だった箇所。(1)コリントは国際都市であり、そのため、パウロの宣教の拠点となったという点。(2)ローマにおいてパウロの立場が危険になった時、彼が生まれながらに市民権を持っていたことが有利に働いたというエピソード(「市民」、「市民権」という概念の重要さを再び感じた)。(3)「パンとサーカス」に象徴されるローマの退廃。

〈参考ページ ローマにおける「市民権」について〉

ウィキペディア ローマ市民権

著者森本哲郎は1925年東京の生まれ。

2.大谷翔平/不可能を可能にする 大谷翔平120の思考(ぴあ、2017年電子版発行)

令和5年4月4日の時点でkindle unlimitedで利用可能。

大谷翔平の語録、およびその解説。以下、印象に残った部分。

(1)大谷が読書家であるということ。2016年に彼が読書推進のためのイベントにおいてイーロン・マスクの評伝を推薦している、ということも印象的だった。(2)大谷が「ゴミ拾い」という行動に意識的である、という点。(3)彼が自らをマイナス思考であるとしている点。それが成長のためのマイナス思考だというのは理にかなっている、と思うのと同時に、それはなかなかできることではない、という感想も持った。自分の弱点を分析する、ということは時間もエネルギーも知性も必要だから、誰にでもできることではないと思う。

(敬称略)

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