令和4年12月30日、藤原審爾の小説『おそい愛』(東邦出版社)を読み終えた。ブログ執筆者が読んだ点字データの底本は昭和48年発行の第6刷りのものであるようだ。東邦出版社のものだが、この作品は後に講談社から出版される。
主人公は離婚の後家政婦として働くようになった女性。6話収録されており、主人公は共通しているが、それぞれの話は独立している。どの話も面白かった。表題作の「おそい愛」は特に印象的だった。
この表題作で印象に残った点三つ。
(一)主人公の別れた男の人物描写。
(二)別れた男と主人公親子が井の頭公園で遊ぶ場面。
(三)主人公の勤務先の家庭の様子。病気の妻と女性雑誌の編集者の夫のあり方の描写があざやかだった。
井の頭公園のほか、物語の舞台に原宿などが登場する。
藤原審爾著/おそい愛(東邦出版社、1972年)
(敬称略)
(『おそい愛』はサピエ図書館の点字データで読みました。点訳ボランティアの皆様と関係者の方々に感謝申し上げます。)
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