2025年8月7日、次の青空文庫のファイルを聴き終えた。いずれもkindle版である。Androidのトークバックで聴いた。
1.宮本百合子著/孫悟空の雲――『近代文学』十月号平野謙氏の評論について――
2.芥川龍之介著/仏蘭西文学と僕
3.横光利一著/マルクスの審判
4.寺田寅彦著/ベルリン大学(1909-1910)
5.西田幾多郎著/フランス哲学についての感想
〈メモ〉
1.宮本百合子著/孫悟空の雲――『近代文学』十月号平野謙氏の評論について――
底本は新日本出版社の「宮本百合子全集 第十三巻」。
平野謙の講演筆記「労働者作家の問題」(『近代文学』十月特輯号掲載)に対して書かれた文章である。
この中で著者の検挙された時のことが書かれているが、巣鴨の拘置所で健康を損ねたことが書かれていて、「(以下引用)そのとき心臓と腎臓が破壊され視力も失い、言語も自由でなくなった。(引用終わり)」とあり、その後も回復したり、また動けなくなったりとの経緯が書かれており、驚いた。
この文章の終わりには、「一九五〇年一月」と記されている。
2.芥川龍之介著/仏蘭西文学と僕
底本は角川文庫の「藪の中・将軍」。
早稲田文学の安成貞雄のの紹介文を読んでアナトオル・フランス(本文中の表記のまま)の「タイス」を購入して読んだという話が記憶に残る。
3.横光利一著/マルクスの審判
底本は初版(1981年)の河出書房新社「定本横光利一全集 第一巻」。
酔漢が轢死し、踏切の番人が被告となる。その酔漢は資本家の蕩児だった。予審判事と番人の会話により物語が進行する。
4.寺田寅彦著/ベルリン大学(1909-1910)
底本は岩波書店の「寺田寅彦全集 第一巻」。
1909年5月19日、ベルリンの王立フリードリヒ・ウィルヘルム大学の哲学部学生として著者が入学したことが冒頭に述べられている。
プランクの講義を聴いたという箇所などが印象に残る。
5.西田幾多郎著/フランス哲学についての感想
底本は1998年発行の作品社「日本の名随筆 別巻92 哲学」。
この短い文章の中には、デカルト、パスカル、マールブランシュ、スピノザ、モンテーン、メーヌ・ド・ビラン、ラ・ブリュイエル、ヴォーヴナルグ、コンディヤック、ロック、シェリング、ショペンハウエル、アンリ・ポアンカレ(以上、いずれも本文中の表記に同じ。メーヌ・ド・ビランは「メーン」との表記もあったが、著作名に「メーヌ」とあったのでそちらとした)といった人々の名が登場する。
(敬称略)
(青空文庫の制作ボランティアの方々に感謝申し上げます。)
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