田坂広志の著作『能力を磨く』を読了

令和5年1月20日、田坂広志の著作、『能力を磨く AI時代に活躍する人材「3つの能力」』を読み終えた。副書名が示すように、AIで代替することのできない能力が何かということを考え、それらの能力の伸ばし方を語る書籍である。

21世紀初頭の日本社会を著者は「高度知的社会」と呼ぶべきものだとする。それにもかかわらず、日本における教育の制度はかつての社会の人材育成のままであることが指摘される。

Aiに代替可能な知識の蓄積や計算等ではなく、人間にのみ持ちうる「職業的能力」、「対人的能力」、「組織的能力」に磨きをかけるべきだとの主張がなされる。また、それらの能力の磨き方についても説明されている。

ブログ執筆者には「職業的能力」の中で説明されていた「言葉」の重要性が最も印象的だった。仕事の反省をするにあたり、振り返ることについて他者と会話することや、ノートなどに文字で書き留めるなどのように、言葉を用いてそれを行うことを推奨している。言葉で表しえない「体験的知恵」を言葉を用いることで汲み取っていくという所が興味深かった。

著者田坂広志(Tasaka Hiroshi)は1951年の生まれ。

田坂広志著/能力を磨く AI時代に活躍する人材「3つの能力」(日本実業出版社、2019年)

(敬称略)

(『能力を磨く』はサピエ図書館の点字データで読みました。点訳ボランティアの皆様と関係者の方々に感謝申し上げます。)

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