湯川豊編『新しい須賀敦子』などを読了

令和4年10月21日、次の二冊を読み終えた。

1.武田好著/「NHK100分de名著」ブックス マキャベリ 君主論(NHK出版、2012年電子書籍版発行)

2.湯川豊編、江國香織、松家仁之、湯川豊著/新しい須賀敦子(集英社、2015年)

〈感想、メモ〉

1.武田好著/「NHK100分de名著」ブックス マキャベリ 君主論

kindle版をiPhoneのVoiceOver機能で聴く。

マキャベリ(この本ではマキァヴェッリではなくマキャベリで表記される)『君主論』の解説本。元外交官の東郷和彦(Tougou Kazuhiko,1945~)との対談も収録される。

第3章は「運命は「力量」で変えられる」と題されている。この章の中の「中立を守るものは必ず滅ぶ」というパートは考えさせられた。『君主論』第21章の中では紀元前のアカイア人の例が挙げられる。これにより、「どっちつかずの中立(本文中の表現)」は「マイナスの結果(本文中の表現)」しか生じさせない、とマキャベリは言いたいのだと著者は述べる。「中立」については現代のわれわれも考えなければならないと感じた。

巻末の著者紹介によると、著者武田好(Takeda Yoshimi,1961~)は大阪府の生まれ。マキャベリに関する著作のほか、イタリアオペラやイタリア語に関する書籍も執筆している。。

〈関連記事 成毛眞の著作『成毛眞の超訳・君主論』(メディアファクトリー)を読んだ記録を含む記事〉

江國香織の短編小説集『犬とハモニカ』などを読了

2.湯川豊編、江國香織、松家仁之、湯川豊著/新しい須賀敦子

2014年に神奈川近代文学館で行われた「須賀敦子の世界展」の際に行われた講演や対談などが収められた本である。江國香織と湯川豊の対談、「須賀敦子の魅力」が最初に収録されており、それがとても面白かった。対談は、須賀敦子のエッセイ集である『霧のむこうに住みたい』の巻末に収められた江國香織の文章についての話から始まる。

〈関連記事 『霧のむこうに住みたい』を読んだ記録を含む記事〉

須賀敦子のエッセイ集、『霧のむこうに住みたい』などを読了

巻末の著者紹介によると、編者湯川豊(Yukawa Yutaka,1938~)は新潟県生まれの文芸評論家。

〈参考図書〉

須賀敦子著/霧のむこうに住みたい(河出書房新社、2014年電子図書版出版)

(敬称略)

(『新しい須賀敦子』はサピエ図書館所蔵の点字データで読みました。点訳ボランティアの皆様と関係者の方々に感謝申し上げます。)

コメント

タイトルとURLをコピーしました