小川洋子のエッセイ集『とにかく散歩いたしましょう』を読了

令和5年3月8日(水)、小川洋子のエッセイ集、『とにかく散歩いたしましょう』を読み終えた。kindle版をiPhoneのVoiceOver機能で聴く。令和5年3月時点でkindle unlimitedで利用可能であった。

毎日新聞に2008年6月から2012年3月まで連載されたものであるらしい。

ここに収録される「涙と眼鏡」というエッセイで年齢を重ねると涙もろくなるという事が語られているが、ブログ執筆者も年齢により涙もろくなっているのか、このエッセイ集では何か所で落涙した。著者の家族に関する文章、著者のペットや映画に登場する犬の話などで涙が出てしまった。

とても面白いエッセイ集だった。話題は上に書いたような著者の家族のことやペットのことから、著者自身の創作のための取材に関する話、さまざまな文学やその作者たちのことなど、多岐にわたる。

「[る]と[を]」は著者の三歳の姪が活字本の中の特定の文字に反応する話であり、ほほえましい魅力的な文章。

2番目に収録される「ハンカチは持ったかい」では、森茉莉と鴎外父娘のエピソードが紹介される。

続く3作目は「イーヨーのつぼの中」は半ば作者の空想が語られる、ユーモラスかつ考えさせられるエッセイ。イーヨーとは『プーさん』シリーズに登場する老ロバであるらしい。

6番目に収録される「ポコポコ頭を叩きたい」では、須賀敦子と語学についてのエピソードが記される。

田辺聖子の文化勲章受賞パーティーの様子が描かれる「満タンの人生」も華やかで面白かった。奥本大三郎が歌を披露したという話から、声のことについて話が展開し、

作家ポール・オースターの声についてと話が広がる。

「オクナイサマ」という神様についての話、「オクナイサマが手伝ってくれる」も楽しく読む。オクナイサマは『遠野物語』に登場する神様で、田植えを手伝ってくれるらしい。

このほかのエッセイも楽しく読んだ。この著者の他のエッセイ集も読みたいと思った。

小川洋子著/とにかく散歩いたしましょう(毎日新聞出版、2013)

〈小川洋子の作品、対談を読んだ記録を含む記事〉

松本清張著『黒地の絵』などを読了

岡田恵美子著『アレクサンダー物語』などを読了

(敬称略)

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