ロジャー・パルバースの著作『新バイブル・ストーリーズ』などを読了

2022年の1月4日から6日までの期間に以下の8冊を読み終えた。

1.樋口信平著/道・真理・命(ラジオメッセージ集)(一粒社、2005年)

2.藤本満著/乱気流を飛ぶ 旧約聖書ダニエル書から(ヨベル、2018年)

3.ロジャー・パルバース著、柴田元幸訳/新バイブル・ストーリーズ(集英社、2007年)

4.ジャン・ハッツフェルド著、ルワンダの学校を支援する会訳/隣人が殺人者に変わる時 ルワンダ・ジェノサイド生存者たちの証言(かもがわ出版、2013年)

5.永遠瑠マリールイズ著/空を見上げて‐ルワンダの内戦そして希望(2015年)

6.中嶋鴻明著/ジンバブエの風はどちら向き(日本貿易振興会、1992年)

7.佐野真一著/予告された震災の記録(朝日新聞社、1995年)

8.テーヤール・ド・シャルダン著、美田稔訳/物質の核心 わが魂の遍歴(オリエンス宗教研究所、1988年)

〈メモ〉

1.樋口信平著/道・真理・命(ラジオメッセージ集)(一粒社、2005年)

『道・真理・命(ラジオメッセージ集)』の著者はロサンゼルス生まれの宣教師である。本書はホノルルの日本語放送局で放送された説教の原稿が元となっている。20の説教が収められる。

「さあ、ベツレヘムへ」にルカの福音書の中の羊飼いがイエスを探す場面について語られており、印象に残る。

2.藤本満著/乱気流を飛ぶ 旧約聖書ダニエル書から(ヨベル、2018年)

『乱気流を飛ぶ‐旧約聖書ダニエル書から』は牧師である著者により「ダニエル書」について平易な文章で書かれた書籍。

ダニエルはユダの崩壊により異郷で生きることとなった。バビロニアの大学で学び、のちに行政に携わる。国際社会バビロニアに信仰者として生きるダニエルについて解説される。興味深く読んだ。

ベルシャツァルに関する部分が特に印象的だった。ベルシャツァルはダニエルが2番目に仕えた王である。飲酒、神への傲慢な態度といった彼の振る舞いが開設される。

3.ロジャー・パルバース著、柴田元幸訳/新バイブル・ストーリーズ(集英社、2007年)

『新バイブル・ストーリーズ』の著者は1944年にニューヨークに生まれ、’76年にオーストラリアに帰化しているとのこと。

「ノアの箱舟」、「ダビデとゴリアテ」、「ヨナ」、「訳者あとがき」は特に興味深く読んだ。

「ダビデとゴリアテ」ではまずその時代がいかに殺伐としたものだったかが説明され、その中にあって内気でおとなしいダビデの存在が語られる。彼の父サウルは争いの連続する世の中にあって戦いに不向きだと思われるダビデを心配している。そのダビデが恐れられている巨人ゴリアテと闘うことになる。この本の中のゴリアテは遠近ともに良く見える眼力を備えていると描かれている。全体の雰囲気など、面白く思われた。

4.ジャン・ハッツフェルド著、ルワンダの学校を支援する会訳/隣人が殺人者に変わる時 ルワンダ・ジェノサイド生存者たちの証言(かもがわ出版、2013年)

『隣人が殺人者に変わる時 ルワンダ・ジェノサイド生存者たちの証言』は1994年のルワンダのジェノサイドに関する本。2000年に書かれた「Life Laid Bare」の日本語訳。著者はマダガスカル生まれのフランス人ジャーナリストである。

ジャン・ハッツフェルドには、この著作のほか、加害者側を扱った「Machete Season」という著書もあるとのことである。

5.永遠瑠マリールイズ著/空を見上げて‐ルワンダの内戦そして希望(2015年)

『空を見上げて‐ルワンダの内戦そして希望』の著者は「ルワンダの教育を考える会」を2000年10月に立ち上げる(2001年にNPO法人格を取得)。2013年に日本に帰化したとのこと。

ツチ族とフツ族、トゥワ族が牛の所有数によって分けられるという一つの観点が示されており、興味深く読んだ。多く所有するのがツチ族であり、少ないのがフツ族、牛を所有しないのがトゥワ族、そして牛の所有数によりそれは流動的である、という見方である。著者の親戚のケースが紹介されている。一人の母から生まれた兄弟で片方がツチ、もう一方がフツであったとのことで、著者はこの状況を「不思議」と表現しているが、確かに不思議である。

ほか、ルワンダの自然の美しさについて書かれた第一部が記憶に残る。また、この第一部ではルワンダの食についての記述もある。著者が5~6歳になるまでは見な自給自足であったとある。著者は巻末著者紹介によると1965年の生まれだから、1970年ごろは著者の周囲ではそのようだったのだなと印象に残る。

6.中嶋鴻明著/ジンバブエの風はどちら向き(日本貿易振興会、1992年)

『ジンバブエの風はどちら向き』の著者はJETRO(日本貿易振興機構)のハラーレ事務所長としてジンバブエに駐在(1987年7月)。本書ではジンバブエの地理、文化、歴史などが語られる。

以下、面白かった点三つ。(1)養殖の鰐(第二部内の記述)。ジンバブエでは鰐が食されるのだが、養殖であるそうだ。養殖の鰐なら殺生禁止や禁輸を免れることができるらしい。(2)植民地時代より前の歴史の伝承(第三部内)。植民地時代よりも前にはジンバブエには文字がなかったので、歴史的な出来事は口承で伝えられたとのこと。(3)世銀との関係(第四部)。世銀主導のESAP(経済構造改善プログラム)の5か年計画は世銀などから好意的に受け止められたということが述べられている。

7.佐野真一著/予告された震災の記録(朝日新聞社、1995年)

『予告された震災の記録』は1995年の阪神・淡路大震災の状況が記録された書籍。

以下、記憶に残った点三つ。(一)著者の正力松太郎の墓参りの場面。鎌倉の円覚寺。ちょうど正力の25回目の命日だったという。(二)被災者の避難所として用いられていた須磨の海浜水族園の様子。(三)震災後の三宮を防塵マスクを着用した人々が歩く様子。

著者紹介によると、著者佐野真一は1947年東京の生まれ。ノンフィクションライター。

8.テーヤール・ド・シャルダン著、美田稔訳/物質の核心 わが魂の遍歴(オリエンス宗教研究所、1988年)

物質の核心』の著者のピエール・テイヤール・ド・シャルダンは古生物学者、地質学者、カトリック司祭である。訳者はあとがきにおいて本書を「精神的自叙伝」としている。

(敬称略)

(上の八冊はサピエ図書館の点字データで読みました。点訳ボランティアの皆様と関係者の方々に感謝申し上げます。)

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